例によって、永久凍土下に長らく埋もれている最底辺Pの世迷い言。
イメージは、女神(ベルダンディ)=あずささん。
純粋無垢、柔和でおっとり。
ふわふわと包み込む、包み込まれる感じ。
拡げた腕をゆったりと胸の前に。
手を重ねて何事か祈っては、また開く・・・
「フタリの記憶」の振付を見て、これだと思った。
以下、作品について、断片的に。
■錯視
目の錯覚。
即物的に見せることができないなら、脳に補ってもらおう。
錯覚もエフェクトだ、って、ばっちゃが言ってた。
勿体付けて持ち出したが、別段珍しくも何ともない手法。
単に自分が今まで使って来なかっただけの話。
この程度で騒いでいるから、いつまで経っても泥に塗れて地べたで転がっている訳だ。
ま、それはさて措き。
<その1>
こちらは普遍的過ぎて、わざわざ錯視とは呼ばないのかも知れない。

「見えない羽根がある」
詞を意識して、残像で「羽根」を。
振付の歌詞シンクロは、直感的に意味に思い到るようなものがいい。
ニコマスの流行に従うなら、手描きかパーティクルで美麗荘厳な羽翼オブジェクトを作って、
背中から生やして動かして魅せるのが今のニコマスPの常識であり常道だろう。
が、ここは「見えない」の詞に素直に従って、翼は使わずに古典的に映像エコーで。
そのために、体側で両腕を開いて動かす振付がこの位置に来るように調整。
これならペンタブやらparticle IllusionやらAfter Effectsなんぞなくてもできる。
<その2>
こちらは、隣り合った色の同化作用
で手抜き を利用したつもり。

元のノーマルPV素材は、フタリの記憶の終奏部分。
背景は一様ではないが、薄い赤色系統の、和名で謂う鴇色・薄紅色・珊瑚色、といったあたりか。
以前に作った
sm8069557ではそのまま茜空の表現に利用できたが、
今回は歌詞が「空が青い」。
背景の赤を何とかしないと・・・
自撮り環境があるなら同一カメラワークの単一色背景の素材、所謂BB素材を上に重ねれば
下の全面の色調整だけで簡単に済むだろう。
が、100%借り物Pにそんなに都合よく素材が調達できる訳がない。
キー抜きで類似色の範囲を拡げると、道連れで抜ける部分が多過ぎてダメ。
ガベージマットはPremiere Elementsの不具合で全く機能しない。
さて、どうする。
結局、濃い赤のみクロマキーで抜いて、RGBを循環的に色交換した同一クリップの上に重ねた。
抜けて見える下クリップからの青は、残った淡い赤と同程度の明度と彩度になるよう調整。
これによって薄青と薄紅との間で同化が起き、どちらもそれぞれ薄紫~灰白色がかって見える。
・・・ような気がする。
背景の空色が、雲海から垣間見える空のように思えたら成功。
ただし、目が人物(あずささん)ではなく背景の青赤どちらかを見詰めてしまうと、
恐らく脳内で補色が生じてしまうため、反って隣り合った赤(青)が強く見えてしまう。
・・・ような気がする。
まあ、あくまで個人的にそう感じる、というだけで、勘違いかも知れないが。
■薄化粧
あずささんかわいいいよあずささん。

ドアップ時に薄めのルージュとグロスの光沢が見えるように。
化粧も使い古された手法で、特に目新しいことはない。
ただ面倒であまりやる人がいないだけ。
今回試したのは、ちょっとドキっとさせられる感覚が清楚さの中にも欲しかったから。
前後のフレームを比較しながらやればきっちりと口紅が塗れるのだが、
敢えて各フレームごとに目分量で、逆に前後で口紅の縁が微妙にズレるようにした。
グロスの光沢は稍意識的に散らし、毎フレームで位置・大きさと形を変えたつもり。
匙加減は全て直感で。
それにしても、60fps素材で加工するのは初めてで、大変だった。
枚数が多くて、作業初期ほど気が重い。
でも、できあがりがかわいく見えるだろうかと思えば楽しくなるもんだ。
仕上げには、口の周りにのみピントを残して他の部分はピンボケにするニセ被写界深度設定。
口の周囲以外にブラー。
今改めて静止画で見てみると、口だけが浮いてしまっている。
鼻にもピントを残しておくべきだったか、あるいはブラがきつ過ぎたのか。
■リップシンクロ
実は、一部で口パクを変更している。

サビの出だし、「心を開いて」の詞の周辺、数秒間だけだが。
元素材のこの部分は歌詞なしで口は閉じられたままだった。
理想は、歌詞・曲シンクロを意識した振付編集で、口パクまで合っているように見えること。
MADだから。
が、さすがに曲の最重要部分だし、ここくらいは合わせておかないと。
■とある女神の超電磁砲
余計な演出だったかも知れない。

超電磁砲というよりは拡散波動砲?
エフェクトの時間配分も間違ったようだ。
一瞬過ぎて、初見では一面フラッシュしたようにしか見えないだろう。
いっそパーティクル系の効果は一切排除して、筋を一本通すべきだったか。
途中で製作ツールを切り換えたことが、製作の障害となってしまった。
一つだけ言えることは、
Premiere Elements 8 は買っちゃダメ、絶対!
ただ、今作が最終的にこのような姿でお目に掛けることができたのは、
逆にその不自由のお陰もあったか。
いろいろ工夫するのも面白いかも知れない。